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2007年11月21日 (水)

詩人・井之川巨さんの一文

社青同解放派(新左翼の一党派)の幹部で、1980年代に内ゲバで殺された「永井啓之追悼集」という本を偶然手にした。68年ベトナム反戦から始まる「政治の季節」を生きてきた私としては、内ゲバ問題は他人事ではなかった。それが今も「セクト主義」という形で、日本の社会運動に影を落としているから、なおさらだ。

その追悼集のなかで井之川巨さん(詩人・故人)が書いた「“敵を殺せ”考」というタイトルの文章が強烈だった。氏は、1950年代の共産党の軍事路線「地域人民闘争」に加わるが、外部への暴力ばかりでなく、内部の人間へのリンチ・拷問などの党内暴力を体験している。その後、55年「六全協」で共産党は軍事方針はまちがいだったと180度路線転換をするのだが、なんの反省も総括もなく行われたことにショックを受ける。かれにとって、1945年に学校の教師が「戦争礼賛から民主主義礼賛へ」180度転換した時に受けたショックと同じで、55年を「二度目の敗戦記念日」と書いている。氏の文章は続く。「その後、共産党の弱腰を批判して登場してきた新左翼セクトは、基本的に共産党となんら変わるものではなかった」と。

こんな一文もある。「革命党は団結を美徳とし、少しのひび割れもない一枚岩の党をめざす。したがって、人間が本来もっている多様な顔、多様な意見を嫌い、これを否定しようとする」「限りなく固い団結を求めることによって、限りなく異なった意見や個性的な感性を排除しようとする。これは実に耐えられないことだ。僕は文学や詩活動によって革命運動に参加したいと申し出たが、党会議で一笑に付され、即座に拒絶されるというめにあった」。

人間の解放のための運動や組織が、逆に人間を抑圧するものに転化してしまう実例には事欠かない。労働組合もけして例外ではないだろう。いったいそれは何故なのか、どうしたら防げるのか。井之川巨さんの一文は、とても刺激になった。(ラビ)


 

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