「人間ちょぼちょぼ」の小田実がなくなった
7月30日、小田実さんがなくなった。春から「末期ガン」になっていることは知っていた。選挙報道の最中にもかかわらず「東京新聞」が何本もの追悼記事を大きく載せているのをみると、やはり社会的に大きな存在だったのだと思う。19歳で初めて社会運動をしたのが「ベ平連」だった私としては、「小田実」や「吉川勇一」(ベ平連事務局長)は忘れられない人物だ。小田実は「人間みなちょぼちょぼ」という持論を展開していたが、みんなが「みなちょぼちょぼ」という哲学をもてば、戦争も独裁も内ゲバも起きないだろう。「俺がえらいんだ。上なんだ。指導するんだ。絶対だ」というところから、不幸が始まる。ベ平連運動が、当時爆発的広がりとエネルギーを発揮したのも、その運動原理にすぐれた点にあったからだ。それは「みなちょぼちょぼ」の人間一人ひとりが主人公であるという原理で、だれかが命令してみんなが従うという運動ではなく、一人ひとりが自分の判断と創意性で運動をつくっていったことだ。「いいだしっぺ主義」と言われ、ある人が「私が◯◯ベ平連」と名乗れば運動がスタートする。実際、私もそうやってベ平連をつくった経験がある。
「東京新聞」(7/31)の記事の中に、こんなことも書かれていた。「(小田実が)ある国際集会に招かれ、参加者の若者たちが『インターナショナル』を歌っていた場面で小田さんは一人起立しなかった」という。右であれ左であれ、自分が納得できない価値観には従わなかった小田さん。権威主義や強制が大嫌いだったのだろう。(ラビ)
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